犬になった老人の死
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天野哲夫(沼正三) 著
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四六判上製 224ページ
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定価:1800円+税
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亡妻を偲ぶ老人が死に臨んで経験した エロティックな幻覚の世界 老人は腹這いのまま、自分の体を改めて眺めてみた。 短い栗色の密毛が尾から背中を掩っている。 短めの四肢の内側から腹部を巡り、 咽喉部へかけては白い同じような短毛が、 艶やかな毛並みを見せていた。 この一匹の雑種の中型犬が自分自身であること……。 深い驚きはなかった。 ……本文より |
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「家畜人ヤプー」の著者の新作小説! 先立った愛妻と自ら命を断った聡明な少女を追慕する老人は、特異な性的嗜好のゆえに、老いてなお、往年の女優、ジーン・アーサーに似た嫁に犬として扱われたいという妖しい夢にとらわれていた。 幻の作家の手になる新たなる『瘋癲老人日記』 |
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沼正三名義代表作: 『家畜人ヤプー』、『ある夢想家の手帳から』など 天野哲夫名義代表作: 『人斬り彦斎』、『異嗜食的作家論』、『禁じられた女性崇拝』、『女帝ジャクリーンの降臨』、『女神のストッキング』、『女神の棲む闇』、『禁じられた青春』、『狂気にあらず!?』、『勝手口から覗いた文壇人ほ、『三角関係の罠』、『女主人の鞍』、『わが汚辱の世界』など |
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